ひかり

「ひかり」とは、太陽である。人類は太陽の光の恩恵を受けて生の営みを続けてきた。日が暮れて太陽の恩恵を受けられない場合、その代わりとして明るさを呈するものが「ひかり」である。つまり、「ひかり」とは、太陽の日をかりることで「日借り」であると、最近のある新聞の社説で読んだ。

 先の大震災により、最近の私たちの話題は何といっても、脱原発、節電、自然エネルギーなど電気の供給にまつわる話題一色である。私たちが、普段何気なく使用していた電気も決して当たり前のことでなく、大自然の恵みで生かされていることを実感した。

 私たち人間は、光だけでなく、空気や水は勿論、米や野菜、・魚や肉などの食料、そして、衣服や住居に至るまで、あらゆる大自然の恵みの中で生かされている。これらのものを、私たちは経済活動と称し、お金で売買し、取引している。しかし、お金を出したから自分のものだと言ってみたところで、所詮は大自然の恵みの一部を、人間の都合で一時的に所有したに過ぎないことを肝に命じたい。

 今回の大震災とこれに伴う原発問題により、産業革命以来の大革命となる「エネルギー革命」の時代を迎えた今こそ、私たち人類は、大自然の恩恵に生かされているという謙虚な気持ちや姿勢のもとで、大自然の恩恵と共に生きる新しい生活スタイルを求め、新しい産業活動・経済活動の仕組みを作っていかなければならない。

 県政のあらゆる政策に目を通し、その目的を知る時、今までとは違う視点や観点を持ち、大局的な感性を求められていることを痛感する毎日である。