部活動関連質問②

※※※3月5日(火)※※※

昨日の続き、2月定例議会で行なった一般質問、「学校の部活動指導に係るガイドラインと働き方改革について」の質問内容です。

次に、(2)スポーツ庁の「運動部活動ガイドライン」に関して、以下9点から伺う。

今回、スポーツ庁が策定した「ガイドライン」では、実効性を持たせるために、全国の自治体教育委員会や公立学校、学校法人などに、具体的な数値目標を明記した「学校の運動部活動に係る活動方針」(以下、「活動方針」)を策定することを求めている。

①今回、スポーツ庁で「ガイドライン」が策定された趣旨について、教育長に伺う。

そもそも、「ガイドライン」とは「指針」であり、法令や学習指導要領等と違い法的な拘束力や強制力のない「紳士協定」、いわば「約束ごと」と理解しているが、今回、スポーツ庁は、自治体教育委員会や学校、学校法人に対する「活動方針」の作成を、「依頼」という表現で通知したと仄聞している。

②スポーツ庁から自治体教育委員会等に「依頼」された「活動方針」の策定について、県教育委員会は、どの様な理念の下で自治体教委会及び県立学校に通知されたのか、教育長に伺う。

今回の「ガイドライン」では、「知・徳・体のバランスの取れた生きる力を育むこと、生徒がバランスのとれた心身の成長の下で、学校生活を送ることができること、また、スポーツを楽しむことで運動習慣の確立等を図り、生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成することを目指し、生徒に望ましいスポーツ環境を構築すること」としている。

こうした「ガイドライン」の基本的な考え方は、学校の種類や設置者の違いに関わらず該当するものであり、国・公立、私立全ての学校の生徒が対象となるものである。

③本県の学校法人、私立学校に対する「活動方針」策定の通知の取り組みと現状について、総務部長に伺う。

スポーツ庁の発表では、現在、全国各地の自治体教育委員会の約6割が、「ガイドライン」に基づいた「活動方針」を作成したと仄聞している。

④県教育委員会では、昨年7月に、国の「ガイドライン」に基づいた「部活動の指導について」を策定されていますが、県下各市町教育委員会や各学校における「活動計画」の作成状況について、教育長に伺う。

今回の「ガイドライン」では、「適切な休養日の設定の取り組み」として、平日・休日の活動時間や休養日の設定等の基準が示されている。

その主な内容として、(1)学期中は週に2日(平日は1日、土・日はどちらか1日)以上の休養日を設け、週末の大会などに参加した場合は休養日を他の日に振り替えること、(2)長期休業中の休養日も学期中に準じて扱い、オフシーズンも設けること、(3)1日の活動時間は、長くとも平日は2時間程度、休みの日は3時間程度とすること、などが挙げられる。

スポーツ庁としては、スポーツ医・科学の研究等を踏まえて、活動時間や休養日等に関する基準を示し、これに基づき適切な部活動を行うことにより、成長期にある生徒がバランスの取れた生活を送ると共に、自らのニーズに合ったスポーツ活動を行うことを期待しているものだが、この様な一方な基準の設定や一律的な総量制限に対しては、学校現場から戸惑いの声が挙がっていると仄聞している。

また、そもそも、部活動の平日・休日の活動時間や休養日の設定(以下、部活動の総量規制)は、生徒のための基準なのか、教員の働き方改革のための制限なのか分からないとの疑問の声も聞いているところです。

⑤今回の「ガイドライン」で示された活動時間や休養日等の数値目標設定の目的と根拠について、教育長に伺う。

 学校における部活動の総量規制は、成長期にある生徒の体力・運動能力の向上や競技上のけがや事故など安全性の観点だけではなく、部員数や活動場所、天候の問題から生じる活動時間不足の観点は勿論、高い志を持つ生徒の競技力向上のための活動時間の確保、また、平素は十分に活動場面が与えられない部員のための活動時間の保障、さらには生徒指導上の観点など、様々な教育上の視点から考えなければならない。

また、高校は中学校に比べて「学校間の均一性」という点でもかなりの差もあることから、活動時間や休養日をどの学校でも一律にすることは、競技力向上の観点や生徒指導上の観点からも現実的ではないと考える。

⑥部活動の活動時間や休養日の基準は、学校や地域の実情に合わせて、弾力的に設定することが必要だと考えるが、教育長に伺う。

これまでも、運動部活動に従事する学校の教員や部活動指導員の多くは、スポーツ医・科学の見地からトレーニング効果を得るためには適切な休養が必要なことや過度な練習はスポーツ障害等のリスクを高め、体力・運動能力の向上につながらないことを正しく理解した上で、生徒とコミュニケーションを図りながら活動時間や休養日を設定してきた。

しかし、今回の「ガイドライン」では、学校や地域の実態に則した弾力的な裁量が認められず、活動時間や休養日に一律的な基準が設定され、部活動に総量規制がかけられた。

⑦県教育委員会は、この「ガイドライン」の通知に先立ち、本県内のスポーツ団体や関係者との協議をどの様に行い、その時どの様な意見が出たのか、教育長に伺う。

今回の「ガイドライン」の最後には、「競技団体は、競技普及の観点から、運動部活動や思春期のスポーツ活動が適切に行われるために必要な協力を行うと共に、競技力向上の観点から、各地の将来有望なアスリートとして優れた素質を有する生徒を、本格的な育成・強化コースへ導くことができるよう、発掘・育成の仕組みの確立に向けて取り組む必要がある。」としている。

⑧部活動の時間や休養日が一律的に総量抑制される中で、競技団体によるアスリートの発掘や育成にどの様に取り組むのか、県民生活部長に伺う。

平成28年の政府の「働き方改革」において、教員の長時間労働の是正が指摘されたことを受け、文部科学省(以下、文科省)は、平成29年度から、「学校教育法施行規則」の一部を改正し、中学校におけるスポーツ、文化、科学等に関する教育活動に係る技術的な指導に従事する学校の職員として「部活動指導員」の配置を定めた。

今回の「ガイドライン」でも、「学校の設置者は、各学校の生徒や教師の数、部活動指導者の配置状況や校務分担の実態等を踏まえ、部活動指導者を積極的に任用し、学校に配置する」とし、部活動指導員の積極的な活用を掲げられている。

⑨そこで、本県における「部活動指導員」配置の現状について、教育長に伺う。

この稿の最後に、(3)「滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案」について、伺う。

本県の公立学校教員が週休日等に部活動指導に従事した場合に支払われる手当については、滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例(以下、特勤手当条例)において定められており、その額は、「業務に従事した日1日につき、3,600円」と規定されている。

この手当は、教員給与と同様、国が都道府県に補助する仕組みとなっており、実施にあたっては、都道府県条例の改正が必要となる。 因みにこの特勤手当は、平成29年度に1日につき、4時間程度3,000円から3,600円に改正されたばかりである。

この「特勤手当条例」の改正案が、今議会に上程されており、その内容は、現行の1日4時間程度で3,600円の手当額を、1日3時間程度で2,700円に変更するというものである。

⑩今議会に上程されている「特勤手当条例」の改正理由について、教育長に伺う。

部活動指導の在り方に直球勝負。