指導者の発言資質

※※※2月1日(金)※※※

二年前に道路の拡幅工事を巡り、土地建物の立ち退き交渉を担当した職員に「火付けてこい」などと暴言を浴びせて、29日に謝罪会見を開いた、明石市泉房穂市長(55)の件について様々な論が飛び交っています。

「今すぐ燃やしてこい」、「火を付けてこい」、「おまえが弁償しろ」などの発言は、「言語道断、即刻、辞職せよ」との発言がある一方、

①言葉は乱暴だが、「あの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ。市民の安全のためやないか。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」

②「後回しにしてどないすんねん、一番しんどい仕事からせえよ。市民の安全のためやないか。言いたいのはそれや。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」 

など、「市長の真意の発言部分がカットされており、放映内容に悪意を感じる。 暴言の方にばかり目を取られてはいけない」との声も挙がっている様です。

そして、「泉市長ほど自分のことを放り出して他人のために身を尽くす市長は滅多にいない。 幼児教育無償化問題でも、全国の自治体と子どもたちのために寝食を忘れて全精力を注ぎ込んでいた」という擁護論も多数ある様です。

いずれにせよ、発言問題を論議する大前提となるのは、先ずは、市長としての「発言資質」だと感じます。

そういう意味では、市長はこれまでも「舌禍騒動」を度々起こしていたという事実が重要となります。

①2015年、作家の玉岡かおるさんからため池に関するフォーラムへの協力を依頼された際、「税金の無駄遣い」などと発言し、その後、市長が「感情を害する言葉遣いをしてしまった」と謝罪し、発言を撤回しています。

②2017年の成人式では、新成人の騒がしい態度を見て、「多大な税金を使っているが来年以降の取りやめを考えたくなる」などと声を荒らげ、市会本会議で批判され「反省したい」と陳謝しています。

③2018年には、東播磨県民局が「東播磨ちゃん」というアイドルを地味なキャラクターに仕立て、動画を公開したことを巡り、市長が「明石はそんなにマイナーな街ではない」などと東播磨地域を自虐的にPRする兵庫県の動画に猛抗議しました。

そこで、県民局は一時配信を停止しましたが、これに対して、県民・市民から市長の批判や再開を求める声が相次ぎ、そのままの形で再公開されました。

この様に、自分の意に沿わない、気に入らない事柄に対して、感情的な言動が目立ち、資質を問う声が上がっていたそうです。

明石市では昨年6月、元部長の男性が男女計10人の部下に「おまえが休んだ方が世のため」などの暴言によるパワハラやセクハラ行為が相次ぎ、泉市長は「職員が声を上げやすい風土をつくる責任がある」として再発防止策を推進していたそうです。

この様な観点からも、先ずは、この度の発言だけを取り上げて、その善悪を論ずるのではなく、この市長の発言の背景やそれに対する「発言資質」を見ておき事が何よりも重要かと感じました。

リーダーの発言資質に直球勝負。

 
選挙といえば、4月の統一地方選挙で8年前に泉市長と争って落選した元市長が返り咲きを狙っているジャストこの時期に、2年も前の録音が出されてきたことには、政治的ないやらしさが紛々としている。