インナーピース考②

※※※1月29日(火)※※※

メルボルンで開かれていた全豪オープン女子シングルスで優勝し、世界ランキング1位に輝いた大坂なおみ選手。

彼女は、これまでの試合では悔しさのあまり、ラケットを投げる場面が多く見られました。

しかし、今大会では、くるりと後ろを向いて気持ちを立て直す場面が多々見られました。

タイブレークを制した1セット目や集中力が途切れかけた2セット目では、あわや涙かと思われた場面は試練でしたが、見事に克服しました。

「どうしたら、いつもそんな状態になれるのか、学ぼうとしているんです」と言うコメント通り、試行錯誤している姿が印象的でした。

つまり、誰の力も借りず自分自身で、自分自身の精神力で乗り越えインナーピースを掴んだ大会だったと言えます。

心の成長と、技の成長。 それが同時に進むさまを見せてくれた大会でもありました。

昨日の日本式精神力強化と違い、自らが自らに向かい、自ら乗り越えるメンタル強化法と言えます。

私自身のメンタル強化法は、やはり、ストイックなまでの厳しい自己管理が中心でした。

しかし、高校野球の指導者をしていた時は、精神力の強化と言うより、心のコントロールが中心でした。

例えば、ピンチの場面では「頑張れ。乗り越えろ」ではなく、「これもまた、試練。結果もオーライ」という感じです。

究極は、最後の夏の大会前には選手を我が家に招いてバーベキュー大会を開催しました。 約15年間続けました。

その席で、「県内屈指の進学校で3年間野球を続けた君たちは、もうそれだけで勝利者。大会は高校野球を続けた君たちの付録みたいなもの。 勝敗に拘らず楽しもう」と檄を飛ばします。

つまり、「大会前の勝利宣言」です。 これにより、選手達は実に伸び伸びとプレーし、敗戦後に涙することはほとんどありませんでした。

これが、私流のメンタル強化策、インナーピース強化策でした。

「自分のメンタルは3歳児並み」。 そう語っていた大坂選手が、「4歳になった」と答えたインタビューがとてもキュートでした。

インナーピースの強化に直球勝負。