※※※9月6日(木)※※
「我が胸の 燃ゆる想いに 比ぶれば、煙は薄し 桜島」 この短歌は、幕末の志士である平野国臣(くにおみ)の作です。
意味は、「私の抱く、熱くほとばしり燃える想いに比べれば、雄大な桜島が上げる黒々とした噴煙と言えども、さほどのものではない」です。
安倍首相は桜島を背景にして、自民党総裁選出馬表明を行った際にこの短歌を引用しました。 正に、自分の熱い想いを表明したつもりなのでしょう。
安倍首相は、山口県選出の衆議院議員ですので、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」に合わせて、「薩長連合」が新しい日本を作り上げたことをアピールする狙いだったのかも知れません。
しかし、そこは知る人ぞ知る浅学非才な我が国の総理大臣、全く短歌の意味を理解せずに引用しています。 無教養を自ら暴露しました。
平野国臣は福岡藩士で、薩摩藩で攘夷運動をしようとしたところ、これを拒まれて、薩摩藩への失望を込めて、揶揄したのがこの短歌です。
つまり、「煙は薄し桜島」とは、薩摩藩や薩摩藩士のことで、平野の熱い想いに応えない薩摩藩と薩摩藩士に対する皮肉です。 鹿児島県民に対する侮辱です。
こんな程度の教養、あんな程度の話術、そんな程度の人柄の人物が、「美しい日本」の総理大臣という不都合な真実が証明されたといえます。
この歌に限らず、歴史や真意を知らず、理解せず、無神経にひけらかす様な態度、教養に欠ける「無知の無恥」は、今回に限ったことではありません。
折しも、米国のマスコミは、「トランプ大統領の理解度は、小学5年生程度」と評しましたが、我が国総理も似たようなものです。 誠に残念です。
美しい日本の教養に直球勝負。