非生産的政治家

※※※8月14日(火)※※※

去る、7月下旬、自民党の杉田水脈議員がLGBT(同性愛者)について、「非生産的」などと言及した問題が波紋を広げています。

大手海外メディアのCNNは「日本の政治家がLGBTを非生産的と呼ぶ」と報道し、杉田議員の発言でLGBT団体から抗議の声が相次いでいると取り上げていました。

他にも複数の海外メディアが杉田議員の発言を取り上げている状態で、LGBT問題への意識が高い国だと反発や怒りのコメントも見られました。

この問題発言についての論議を聞いていて、数年前、あるテレビ番組での、政治評論家の竹田恒泰氏の発言を思い出しました。

これはオリンピックで好成績を取れなかった選手に対する苦言で、「日本は国費を使って選手を送り出している。 選手個人の思い出づくりのために選手を出している訳ではない」との発言です。

これに対して、陸上400m障害のオリンピック選手である為末大氏は、「税金を投入したのにメダルが取れなかったという議論は恐ろしい」、「ブラック企業の論理」と反論しました。

杉田議員の発言も、竹田氏の発言も、その根本は同一です。 「子どもを産めない者は非生産的」、「勝てない選手は、金の無駄」という論理です。

この論理を国民に当てはめてみると、「国民生活には税金が投入されているが、全ての国民が税金に見合う利益を国家にもたらしているのか」と言う発想に繋がります。

全ての国民が税金を出し、その税金によって、国民は様々な行政サービスを享受しています。 しかし、国民の中には、労働も出来ず、従って税金も払えない人達もたくさんおられます。

その人達は、社会の邪魔者でしょうか? 生産性のない無用な人達でしょうか? 存在することが許されないのでしょうか?

杉田議員や竹田氏の発想を突き詰めてゆけば、これは、一昨年、相模原市で起こった障害者大量殺人の犯人と同じような思想になるのではないでしょうか。

杉田議員の様に基本的人権を侮蔑する発言をする政治家に、税金から多額の歳費を支出することこそ、正に生産性のかけらもないことです。

スポーツの価値に直球勝負。