メテルニッヒの父

※※※6月12日(月)※※※

クレメンス・フォン・メッテルニヒ(1773年~1859年)は、オーストリア帝国の外相としてウィーン会議を主宰した他、オーストリア宰相に就任し、ナポレオン戦争後の国際秩序であるウィーン体制を支えた政治家です。

高校時代の世界史で学んだこの名前が思い浮んだのは、数年前、ある雑誌でこの名前を見つけ、その記事をメモしていたからです。

その記事には、メテルニッヒの父が彼に宛てた手紙の一文が紹介されていました。

一人のドイツ人として、母国語がきちんと話せ、書けるというだけではない。完全なまでの教養と完璧なまでの言葉遣いに匹敵する域に達し、人々を指導する地位に立って恥じないほどの国語力を身につけることこそ、時代を問わず、極めて重要なことなのだ

「美しい日本」とか、「日本人の誇り」とか、やたら、国粋主義的な言葉を使い、「日本人たる者しっかりしろ」とのたまう我が国の宰相。

そんな彼の国会答弁での日本語たるやどうでしょう? 「正に ・・・ 」、「・・・・において、・・・」という言い回し、そして、詭弁、愚弄、恫喝、責任転嫁のオンパレードです。

外交・軍事こそが重要と位置づけ、そのためには「憲法を変えろ」、「共謀罪を作れ」と声高に叫ぶ一方、人柄も教養も言葉も満足にしゃべれない人物を防衛大臣や法務大臣に任命する無責任さ。

さらには、この度の「もりかけ問題」にみられるような、政治権力の私物化。 野球なら、もう退場ものでしょう。

そんな我が国の宰相に、謹んでメテルニッヒのお父さんの言葉を贈ります。

宰相の資質に直球勝負。