本日、日本相撲協会は東京・両国国技館での臨時理事会後、春日野理事と高田川審判委員を伝達式の会場となる東京都内のホテルに派遣し、稀勢の里に横綱昇進を伝えました。
これで、実に19年ぶりの日本人横綱、第72横綱が誕生しました。
実は、私も隠れ稀勢の里関ファンでして、この稀勢の里関を応援する心理は、阪神タイガースを応援する心理と大変よく似ています。
堂々とした体格とふてぶてしいまでの態度で、白鵬を吹き飛ばすほど恐ろしく強いのに、番付け下位にコロリと負けたりします。 特にここ一番の勝負どころで必ず取りこぼします。
正に、阪神タイガースの戦いぶりにそっくりです。 それで、最近は横目で取り組みを見ながら、無関心を装いながら応援すると言う、タイガース応援態勢をとっていました。
「また負ける」と自分に言い聞かせて、土俵に疑いの視線で見る、そうすることで負けた時の落胆を少しでも軽くしようという、実に姑息な観戦術です。
昨年夏場所に、白鳳と12勝同士で対戦して負け、横綱取りに失敗した時、白鳳から「日頃の行いから直せ」、「強い者は大関になれるが、横綱は宿命を持つ者がなれる」、「何かが欠けている」などと言われていました。
ひいきの力士が勝って喜び、負けて落胆するのが相撲ファン。 それが相撲の魅力でもあるのですが、稀勢の里はその落差があまりにも大きいのが、ある意味魅力でした。
大きな重圧に緊張して硬くなり、自分本来の力を出し切れない。 それがどこか人生にも似ていて、つい自分の姿と重ね合わせてしまうという点でもタイガースファン心理そのものです。
今日のワイドショーでは、勝っても笑わず、武骨で不器用という今のイメージではない、少年時代の多弁でひょうきんな姿が紹介されていました。
中卒のたたき上げで、とことん正攻法、勝っても笑わず、武骨で不器用。 彼の姿は、懐かしい日本の心、美徳を思い出させ、どこか私たち日本人の琴線に触れるのだと思います。
横綱になってからが、大変。 これからの横綱稀勢の里の相撲は、もう横目で見ることなく、直視しながら応援してゆきます。頑張れ、稀勢の里。
日本人横綱の誕生に直球勝負。