イジメですらない?

※※※1月23日(月)※※※

『150万円の支払い』 いじめ認定は困難:横浜市教委 」 こんな新聞の見出しが目につき、当然だと頷いた途端、自分の早とちりに気が付きました。

最初は、福島原発事故後に福島県から横浜市に自主避難した中1男子生徒が、150万円ものお金を取られていたことは、もはやイジメの範疇ではなく「犯罪恐喝罪)」だと感じたからです。

しかし、よく読むと、自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けた問題について、横浜市教育委員会は「金銭要求をいじめと認定するのは困難と判断した」との記事でした。

これでは、私の認識と全く反対の見解です。 これがイジメに起因する犯罪でないとするなら、一体何だと言えるのでしょうか?

「男子生徒はイジメを受けていた小学5年の時、同級生から「賠償金をもらっているだろう」と言われ、同級生らの遊ぶ金として自宅から現金を持ち出して1回5万~10万円を渡しており、その総額は150万円にも上っていた。」 これが事実です。

横浜市の第三者委員会が昨年にまとめた報告書では「金銭授受はイジメから逃れるためだった」と指摘しながらも、「おごりおごられる関係で、イジメとは認定できない」と判断した様ですが、それはおかしいと思います。

横浜市教育委員会の岡田教育長の「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っている以上、イジメという結論を導くのは疑問がある」との発言には、怒りさえ覚えます。

これでは、イジメから逃れるために被害者が金を払うのはイジメに該当せず、加害者が恐喝行為をしても「おごってもらった」と証言すればイジメだと認定されないことになります。

私も30余年に渡り、高校教員として生徒指導に携わってきましたが、こんなバカな判断はしたことがありません。 本事例は、イジメではなく、犯罪です。

横浜市教委が本気で「イジメですらない」と考えているのであれば、教育を指導する監督官庁としての良識が疑われます。 教育機関、教育者として失格です。 即刻、再検討すべし。

いじめ問題に直球勝負。