羊飼いと日本人

※※※11月17日(木)※※※

早坂隆「世界の日本人ジョーク集」中公新書から  

~ ~ 見渡す限り広がる米国の片田舎の草原では、無数の羊がのんびりと草をはんでいました。 そこへ、一人の日本人が乗り込んできました。 

そして、柵にもたれている、羊飼いの老人に舌足らずな早口でこう言いました。

「この草原にいるあなたの羊が何匹か、1発で正確に当てたら、羊を1匹いただけますか?」

そんなことは無理だと考えた羊飼いの老人は、この申し出をOKしました。

すると日本人はバッグからパソコンを取り出し、インターネットでNASAとつなぎ、探査衛星を使ってデータを収集して「307匹」と断言しました。

これを聞いた、老人は「1匹持って行きな。」と一言だけ言いました。

そこで、日本人は近くにいた1匹を乱暴に掴み、自分の車のトランクに放り込みました。

その様子を見ていた老人が、「今度は俺の番だ。 君がどこの国の人かを1発で言い当てたら、その1匹を返してくれるかい?」

日本人は分かる訳ないと言った表情で「成るほど、良いでしょう。」と応じました。

老人は考える間もなく、「君は日本人だ。」と言いました。 驚いた日本人が「何故、分かった?」と尋ねると、老人はこう言いました。

そんなこと簡単に分かる。 あんたは呼びもしないのにここへ来た。 そして、俺がとうに知っていることを自慢げに後からなぞって、おれの大事な所有物をさらってゆこうとしている。 こちらからは何も頼んでいないのにね。」 

そして、こう続けました。しかも、あんたは俺のビジネスを全く理解していないさあ、トランクに入れた俺の大事な番犬を返してくれ」~ ~ 

さて、新しい米国大統領に関する十分な人物像や政策を吟味もせず、日本政府としての対米戦略も相談せず、呼ばれてもいないのに、のこのこと尻尾を振りながらすり寄る我が国の「ポチ外交」。

このニュースを見聞きする度に、「羊飼いと日本人」のジョークと重なってしまいます。 

ホント、節操のかけらもない「ポチ外交」と軽薄な「ポチ」。

対米外交の危うさに直球勝負。