最近、ついつい通信販売で、品物の実物も見ず、触らず、勿論、「口上」も聞かず、何もしゃべらない画面を見て買物をしてしまい、妻から小言を頂戴しています。
そんな折、久しぶりにテレビで、渥美清さんが扮するフーテンの寅さんが活躍する「男はつらいよ」が放映されており、楽しませてもらいました。
山田洋二監督の名作映画「男はつらいよ」は、学生時代から私の人生のバイブルでもありましたので、ビデオも何本か持っていますが、VHSで観られません。
そこで、空でも言える、渥美清さん演じるフーテン寅さんことの車寅次郎の面白くて、もの悲しくも切ない「口上」を紹介します。
先ずは、口上中の口上、「結構毛だらけ、猫、灰だらけ。 お尻のまわりはクソだらけ。 見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし。 てー(田へ)したもんだよ、イナゴのション便」
次に、「四角四面は豆腐屋の娘。 色は白いが水くさい。 ヤケのヤンパチ、日焼けのナスビ、色は黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たない。」
そして、「櫻って字はね。 二階(貝)の女が、気(木)にかか(掛か)る。 日光、結構、東照宮。 産んで死んだか三島のお千。 お千ばかりが女じゃないよ。」
更に、「四谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水。 粋な姉さん、立ちション便。 驚き、桃の木、山椒の木。 ブリキにタヌキに蓄音機って、くらなー。」
こんな口上を聞きながら、「持ってけ、ドロボー。」と言われたその瞬間、「よっしゃ、買った。」なんてね、そう言う買物も有りですね。
今更ながら、商品を巡る売り手と買い手の丁々発止のやりとりの楽しさを再認識させてもらいました。
寅さんの口上に直球勝負。