対話的理性の欠如

※※※8月5日(金)※※※

ユンゲル・ハーバーマス(独)という哲学者の学説に、「対話的理性コミュニケーション・リーズン)」という哲学用語があります。

これは、「目的を達成するために何より大切なものは、相手を説得することではなく、胸襟を開き相手の話を聞くことであり、共に何かを作りあげようとする態度である」というものです。

そして、これを可能にする3つの原則として、①相手に自然な言語で話すこと、②信じることのみを話し、擁護すること、③全ての当事者が対等な立場で参加すること、を挙げています。

つまり、「相手に通じる言葉を用いて、誠実に、そして、対等な立場で話す」(小川仁志著:「問題解決のための哲学思考レッスン25」)ということです。

野洲市の野洲駅前南口での新・市立病院建設が暗礁に乗り上げています。 この事態は、ひとえに、市長と市議会の「対話的理性」の欠如ではないでしょうか。

①新病院は、病棟を新築すること。 ②その場所は、野洲駅前南口に建設すること。 ③新病院は、野洲市立病院とすること。

執行部側が、当初から頑なにこの3点を固定して計画を進めた結果、用意周到で丁寧な建設プロセスが踏めず、また、収支計画も二転三転したことなどで、議会や市民にとって納得のゆかない計画となっています。

それが、つい先日、議会から5度の否決を受けた今頃になってから、反対派の意見を聴く場を設けるとの報道がありました。 この様な機会を、何故、もう少し前にできなかったのでしょうか。

現状では、野洲市民は、賛成派と反対派に二分され、市内の雰囲気は極めて気まずい状況です。 この様に市民を分断した責任は、誰に、何処にあるのでしょうか。

残念ながら、野洲市・野洲市民は、世間からの笑いものにされています。 残念です。

直球勝負。