目眩まし内閣改造

※※※8月2日(水)※※※

マスコミは明日の内閣改造について、様々な情報を垂れ流しています。 この度の内閣改造により、何かしら政治が変わるかの様な報道の仕方ですが、とても危険な気がします。

そもそも、今回、内閣改造をせざるを得なかった根本的なことは、何も説明されていませんし、解明もされていません。

例えば、稲田防衛相は、何の責任を取って辞任したのかについても、国民の思っていることとはほど遠く、説明にすらなっていませんでした。

しかるに、丸で英雄気取りで防衛省職員に見送られて去って行きました。 そこで、今回の「日報隠蔽問題」について、まとめておきたいと思います。

①今回、「特別防衛監察」を行うという知恵を出したのは安倍総理の信頼が厚い黒江哲郎事務次官で、黒江氏は、菅、稲田両氏に相談しながら監察を進めた。

②日報隠しの責任について稲田氏と防衛省の内部部局は不問にし、すべて陸自に押しつけるというシナリオだたが、これに反発した若手幹部たちがメディアにリークした。

③2月15日に開かれた幹部会議で、稲田氏は黒江事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長らと対応を協議し、稲田氏が日報の電子データ保管の事実を非公表とすることを「了承」していたが7月19日にメディアで報じられた。

④稲田氏は「そうした事実はない」と否定し、火消しに躍起になったが、若手反乱将校たちの情報戦により、7月24日に、今度は幹部会議の議事メモが暴露された。これに陸自OBも結束して応援した。

⑤岡部陸幕長はすでに辞意を固めていたので、一連の報道によって、もはや稲田氏辞任の流れも止めようがなくなった。(以上、防衛省関係者の証言から)

陸自の若手幹部が守ろうとしたのは陸幕の「威信」ばかりではなく、自衛隊員の生命が軽視されたことへの抗議もあったと伝えられています。

つまり、昨年7月に南スーダンで起きた戦闘は、国連が「ジュバ・クライシス」と呼ぶほど激しかったが、稲田氏は「戦闘状態」を「武力衝突」と言い換え、安全だと言い張ったこと。

そして、「駆けつけ警護」など新任務の付与ばかり念頭にした安倍政権は隊員の命を守らず、最前線の自衛隊員にとっては、政治の道具にされたという認識があること。

お気に入りの稲田氏に対し、帝王学でも授けるかのように防衛大臣に任命した安倍首相の責任は重いものがあります。

日報問題の真相解明にも消極的で、陸自に電子データの存在が明らかになった3月から4カ月も経つのに、稲田氏に報告すら求めなかったことは衝撃的ですらあります。

一方、稲田氏の資質とは別に防衛省・自衛隊の「隠蔽体質」が今回の大混乱を招いたという批判もあます。

日報はPKOの基本的な活動の情報であり、次の派遣で作戦を立てるための基礎的な資料になることから、作戦中の日報を廃棄するなんてあり得ないことで、自衛隊は情報開示に消極的だったという指摘もあります。

この2つの観点から、日本の「シビリアンコントロール」はどうなっているのか大変心配です。

稲田大臣の辞任は、説明責任を逃れるための辞任であり、疑惑はますます深まったと言えるます。 それが、今回の辞任でなくなり、そのた諸々の疑惑が追及されないとなれば、日本の政治はその程度ということです。

ごまかしの内閣改造に直球勝負。