捕手のボーク

※※※7月18日(火)※※※

第99回全国高校野球選手権大会の地方予選真っ盛りですが、先日15日、徳島大会の1回戦で、城東高が九回サヨナラ(城東2-1阿波)で阿波高を下した記事が目に留まりました。

~ ~ ~ 白熱の投手戦で迎えた1-1の九回裏、城東高の攻撃は先頭の3番打者が右中間二塁打で出塁、4番打者が送りバントを決めて1死三塁の状況となった。

サヨナラ負けの大ピンチを迎えた阿波高の監督は満塁策を選択し、5番打者の敬遠をバッテリーに指示した。

そして、阿波高の投手が、5番打者に投じた2球目に、球審がボークを宣告し、三塁走者が生還となり、城東高のサヨナラ勝ちが決まった。

このボークは、阿波の投手が投球動作に入った時点で、捕手の両足がキャッチャースボックスから出てていたため、いわゆる「キャッチャーボーク」が適用された。  ~ ~ ~

ボーク」とは、塁に走者がいる時に投手がしてはいけない行為のことで、投手が以下の様な行為を行った場合、審判が反則行為とみなして宣告します。

1、投手が投球動作を中断した場合

①自由な足を上げたところで一度止めてタイミングを外そうとする行為(含2段モーション)、②投げようとしたが、軸足がふらついて投球をやめてしまった場合(こけた場合)、③サインを見ているところからセットポジションに入ろうとストレッチをする途中でやめてしまった場合。

2、投手がクイックピッチ(バッターが構えていないのに投球した)をした場合

3、投手がボールを持たずにプレート付近に立った場合

4、投手が牽制の際に不正行為を行った場合

①セットポジションで完全静止を怠った場合、②牽制でベースの方向にしっかりと足を踏み出さなかった場合、③2塁への牽制の際、軸足をプレートの前に外した場合、④左ピッチャーが1塁牽制をする際に軸足(左足)と右足が交差した場合(硬式野球の場合は自由な足がプレートの後縁を越えた場合)、⑤1塁・3塁への牽制時に偽投(投げるふり)した場合、⑥走者のいない塁に牽制(送球)をした場合

5、捕手が敬遠時にキャッチャースボックスから両足を外れて構えた(キャッチャーボーク)の場合

ボークは投手に対して宣告されますが、今回は捕手の行為に起因して、投手がボークを犯してしまったケース、つまり、5、の場合です。

野球規則6・02の「投手の反則行為」に、「故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合にボークとなる」があります。

これが、捕手によるボーク、いわゆる「捕手ボーク」といわれる規定です。 片足をキャッチャースボックスの中に置いて構え、投球と同時にその外へ出るのはOKです。

また、敬遠時以外はキャッチャースボックスから足がはみ出ていてもOKです。

ボークを宣告されると、塁上の走者は1個進塁することができ、無走者の場合の反則投球はボールが宣告されます。

阿波高校の捕手はこのルールを指導されていなかった様で、3塁走者が生還が認められ、サヨナラ負けとなったものです。 指導者に喝。

高校野球の指導に直球勝負。