憲法第9条2項

※※※5月8日(月)※※※

昨日、憲法改正に関する自民党案の危険性について書きましたが、憲法改正の核である「第9条」について、安倍首相から信じられない言葉が発せられました。

その一つは、「私の(憲法第9条2項)の考え方については、読売新聞に詳しく書いてあるので読め」という驚くべき発言で、さすがに浜田委員長からも首相に対して「不適切」との注意がありました。

安倍一強内閣下での閣僚の弛み、うかつ発言が続いていますが、この発言は、「弛みの極み」、うかつ発言にもほどがあります。 勿論、読売新聞は官報ではありません。

その二つは、「憲法9条2項はそのまま残し、自衛隊の存在を明記する」という発言の内容です。

日本国憲法「第9条」とは、憲法の前文に続く第2章の中にあり、この第2章は第9条1項と2項のみで構成されています。

第2章は、章名「戦争の放棄」で、第1項で「戦争の放棄」、第2項で「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を規定しており、正に、日本国憲法を構成する3大原則の一つである「平和主義」を謳いあげた独立章です。

第9条:第1項①「戦争の放棄」、「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記されています。

第9条:第2項①「戦力の不保持」、「前項の目的を達成するため、陸海空その他の戦力は、これを保持しない

第9条:第2項②「交戦権の否認」、「国の交戦権については、これを認めない

安倍首相は、「この第2項をそのままにし、自衛隊の存在を明記する」ということですから、いわば、「現在の自衛隊は軍隊でない」、だから、「交戦できない」と言うことを認めたことになるのではないでしょうか。

しかし、元々の自民党案では、「第2項を削除して、国防軍を創設する」としていただけに、正にサプライズ発言でした。

2020年から新憲法公布とのスケジュールをぶち上げながら自民党内でも統一した改正案を持たない我が国の宰相の発言の軽さは、如何なものかと感じざるを得ません。

憲法改正に直球勝負。