共生社会の構築

※※※1月29日(日)※※※

平成28年度野洲市社会福祉大会にお招き頂き、「共生社会の意味」についてを中心に、挨拶を申し上げました。

~ ~ ~ ~ ~  只今「功労者表彰」並びに「感謝状」を受賞されました皆様には、心からの敬意とお祝いを申し上げます。

また、本日、お集まりになられました社会福祉関係者の皆様方には、平素から市内各地域、各所の福祉事業の担い手として、多大なご尽力を頂いておりますことに、心より感謝とお礼を申し上げます。

さて、昨年の夏は、リオ・デ・ジャネイロで行われたオリンピック・パラリンピックで日本選手、滋賀県出身のアスリート達が大活躍してくれ多くの国民が感動と喜びを共にしました。

特に、パラリンピックでは、様々なハンディキャップをものともせず、懸命に競技される姿に、改めて人間の持つ秘めた可能性を気づかされたばかりか、前を向き懸命に生きる姿にこの上ない勇気をもらいました。

障害の有無に関わらず、スポーツならではの楽しさや爽快感、達成感を感じたり、又、目標に向かって努力・鍛練したり、チームワークを高めたりすることは、人が人として生きる上で欠くことのできない生きるための本能でもあります。

しかし、一方、このような中、昨年7月26日の未明、相模原市の障害者施設「津久井ヤマユリ園」で何の罪もなく、抵抗さえできない入所者に対して、余りにも残忍な方法で19人の方が殺害され、27人の方が重傷を負われされるという凄惨な事件が起こりました。

この事件は、犯行の残忍さに強い怒りを感じると共に、犯人の「障害者はいなくなればいい、安楽死させるべき」という趣旨の発言に国民の多くが戦慄を覚えました。

優れる者を残し、劣るとみなされる者を排除、抹殺するといういわゆる「優性思想」や、できる、できないで人間の価値を決め、障害の重い人は生きている価値すらないといった容疑者の価値観や人間性は、いかにして生まれてきたのかと恐怖さえ感じました。

この度の事件は、様々な社会福祉活動を通して、共生社会を実現しようとする私達の取り組みを頭から否定する様な事件でした。

さて、社会福祉には「障害者福祉」だけではなく、「高齢者福祉」や「児童福祉」、「母子福祉」などの他、様々な領域があり、これらの活動の推進に当っては、「共生社会の構築」という言葉がよく使われますが、この「共生」という言葉は、古くは聖書の中にもあり、また、仏教用語では、「ともいき」と読み使われているそうです。

私達は、二度と津久井ヤマユリ園の様な事件を起こさせないためにも、この「共生」という言葉について、一体、何を「共生」するのか、今一度「共生」という言葉の中身を明らかにし、それをみんなで共有しなければなりません。

本年度の野洲市社会福祉大会のテーマである「人が共に支え合い、安心して 暮らせるまち」も、正に、この「共生社会の実現」を表したものと承知していますが、「人が共に支え合い、安心して暮らせるまち」を築くために、先ずは、皆が手を携え、相互に相い補い合う「ともいきの精神」を磨き上げることそして、共に生きるための「環境を整備する」こと、このソフト、ハードの両面から「共生する」という意識を皆で共有することが重要ではないかと感じています。

この様な観点からも、「野洲市社会福祉協議会」を中心とした皆様の果たされる役割は、今後益々大きいものとなって参ります。

皆様におかれましては、本日の大会を契機に、「共に支え合い安心して暮らせる町」の構築のために、一層のご尽力とご活躍を賜りますようお願いを申し上げます。 ~ ~ ~ ~ ~

福祉社会の構築に直球勝負。