年末は第九の理由

※※※12月24日(土)※※※

年末に第九を歌うのは、何故?という疑問に対する答えは、クリスマスイブにケーキを食べる様な日本社会における商業戦略の産物というのが正解です。

年末の「第九の演奏会」は、第二次世界大戦直後の混乱期にNHK交響楽団により始められたもので、楽団の年末の臨時収入を得るための戦略だったそうです。

「年末は第九」というイメージを国民に植え付け、また、世界一の人数を誇る日本のアマチュア合唱団員に発表の機会を提供する作戦は大成功し、今では日本の年末の風物詩として定着しています。

「第九」は、正式にはベートーベン作の「交響曲第9番」(ちなみに、第5番は「運命」、第6番は「田園」)です。

他の有名な作曲家にも「交響曲第9番」がありますが、日本で「第九」と言えばベートーベンの「交響曲第9番」を指します。

そして、第四楽章に「合唱」を付けることで、多くのアマチュア合唱団員が参加するという日本独自のスタイルが確立されました。

「アン デ フロイデ ゲッタ フンケン ・・・・・ 」、実は、私もこの第四楽章「歓喜の歌」をドイツ語で歌うことに熱中したことがあります。

高校で担任をしていた昭和60年~平成6年頃の生徒諸君にもHR活動で歌わせて、発表会もしていました。

この第九の第四楽章「歓喜の歌」は、ドイツの詩人シラーの詩です。

~ ~ ~ 皆さん、もっと素晴らしい歌をうたおう。 あそこの神の光の下にユートピアがある。 世の中厳しいけれど、今宵は皆で酒を飲み、愉快に過ごそう。 

みんな友達、働く者は皆友達。 喜びを分かち合おう。 神様の下で、喜びを分かち合おう。 ~ ~ ~

あまり音楽のことは分かりませんが、「おおらかに人類の歓喜と自由と平和を歌いあげるというスケールの大きさ」は感じられるような気がします。

この様な内容ならば、第九は日本の年末の歌で良いのかと感じながら、クリスマスケーキをほうばっています。 つくづくと平和ぼけだなと感じつつ・・・・・。

歓喜の歌に直球勝負。