自爆外交炸裂か

※※※12月15日(木)※※※

今日(15日)からスタートする日露のトップ会談は、まるで、巌流島の対決で武蔵が小次郎をじらした作戦の様に、のっけからロシアペースでかき回されています。

この日露トップ会談直前、新聞社のインタビューに応じたプーチン大統領が、北方領土の引き渡しについて「第2次大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定しており、ロシアに領土問題はない」と断言した時点で勝負有りでした。

それどころか、安倍首相が提案した8項目の経済協力プランについて「平和条約締結の条件ではない。必要な雰囲気づくり」と、領土引き渡しには直接結びつかないとも明言しており、領土問題を「棚上げ」し、経済支援だけ頂戴しようという魂胆です。

これで、領土問題は「ゼロ回答」に終わり、経済支援だけ食い逃げされる事が確定的となり、あとは、我が国首相のメンツを取り繕うだけの会談となりました。

さらに、ウクライナ問題をめぐって日本がG7と一緒に経済制裁していることに対して、「日本はロシアへの制裁に加わっており、制裁を受けたまま、どうやって経済関係を高いレベルに発展させるのか」と制裁解除や日米関係の見直しまで迫っていると伝えられています。

元外交官の天木直人氏は、この度の日露交渉惨敗の原因を、「安倍外交は、国際情勢も把握せず、いつも情緒で動いており、今回は特に、領土が引き渡される客観的な状況がないのに『歴史に名前を残す』と前のめりになった外交姿勢が失敗の全て」と断言しています。

特に、ロシアは日本に対して「北方領土に米軍が駐留する可能性はあるのか」と、何度なく聞いており、これは日米関係を見直さないと北方領土は渡さないというロシア側のメッセージだとされていました。

北方領土に米軍が駐留することは、ロシアにとって死活問題であり、ロシアにとって北方領土は経済問題ではなく安保問題なのです

「日米安保が存在する限り、北方領土を渡すつもりがない」とのロシアのメッセージが発せられているのに気づかず、自ら経済支援を提案しているのだからこれは、ロシアに騙されたというより、「自爆外交」だと言われています。

領土は1ミリも動かず、巨額の税金だけ奪われることになる。 一体、安倍首相は、誰のために外交をしているのか。」(日刊ゲンダイ記事より) 全くその通り。

日露トップ会談の真実に直球勝負。