色紙の真ん中に「口」の字、口の字を下に付けて「吾」、左に付けて「唯」、上に付けて「足」、右に付けて「知」の漢字が作られています。
この四字「吾、唯、足、知」 を右回りに読み、 「われ、ただ、たる(を)、しる」です。 (正しくは漢文で読みますので、上・右・左・下と読み、「吾、唯、知、足」ですが。)
この言葉は、京都・竜安寺の茶室横に置かれた「つくばい」(手を清める石の器)の上面に刻まれています。
意味は、「全て完全なることを求めず、少し足らないことを知ることの大切さ」を説いた言葉です。
これは竜安寺の方丈庭園である有名な「石庭」のいわれからで、この庭園の意図する「吾唯足知」を刻したつくばいは、徳川光圀(水戸の黄門さん)が寄贈に依るものだそうです。
竜安寺の石庭には、15個の石が配置されていますが、どこから見ても1個が隠れており、14個しか見えません。
私も一生懸命に見たのですが、わざと1つだけが他の石に隠れる様にに作られおり、やはりどの角度から見ても14個しか見られません。 つまり、禅の教え、足らざる局面が作られています。
今日は、義母の葬儀が営まれました。 享年90歳。 去る、7月12日の午後、苦しまずに、眠るように天国へと旅立たれました。
この亡き義母の口癖は、「あんまりきちんとやり過ぎんほうがええよ。 ほどほどにしときや。」でした。まさに、「吾唯足知」の教えです。
私の性格を知り尽くした義母ならではの私への遺言だと感じました。 お義母さん、長い間ありがとうございました。 心から、心からご冥福をお祈りいたします。 合掌。
足るを知る人生に直球勝負。