考える力の重要性

※※※8月9日(水) ※※※

人気解説者の  池上彰  氏が直面する政治課題を鋭く切る番組が数多く放映されていますが、先日のある番組で、目から鱗、思わず「その通り」と手を叩く様な場面がありました。

それは、「変わりゆく歴代内閣の『戦力』の意味:自衛隊と憲法9条」と題したコーナーでの出来事でした。

池上氏が憲法と自衛隊の関係について、①「自衛隊は憲法9条の解釈の中で存在しているためそのままでいい」、②「矛盾しているのだから憲法を変えたほうがいい」、③「矛盾しているのだから自衛隊をなくしたほうがいい」という、これまでにあった3つの考え方を解説しました。

その上で、安倍首相は、この3つに加え、新たに4つめの解釈「自衛隊をそのまま憲法に書き込む」、つまり、「憲法9条の内容はそのままにして、自衛隊を明記したらどうか」を提言していることを紹介しました。

この時、ひな壇にいたタレントの陣内さんが、「池上さんはどう考えているんですか」との質問をしました。

池上氏が「それはみなさんに考えていただくために、これまでの色んな材料を・・・・」と解説の趣旨を説明しましたが、陣内さんは池上氏の返答をさえぎり「でも、池上さんが一番正しいとぼくは思ってるんです」と語り、笑いを誘いました。

さらに陣内氏は「たぶん全国の人も思っている」と池上氏を持ち上げました。 これは、陣内氏の冗談ではなく、多くの視聴者もうなずく、至極真っ当な意見でした。

しかし、そんな陣内氏に向かって池上氏は「それが一番危険なんですよ」とピシャリと言い放ちました。

自分で考えないで『池上がなんて言うんだろう』、『池上に従おう』っていうのが、民主主義では一番いけないこと」と強烈なダメ出しをしたのです。

池上氏は、「ひとりひとりが考えて、決めなければいけない。 私はそのための材料を提供している」と改めて、自身が解説している趣旨を説明したうえで、「私にも考えはある。 しかし、それを言ってしまったら『そうだ、そうだ』って、みんなが思考停止になることが一番いけないことです」と諭しました。

正に、「その通り」、思わず拍手喝さいを送りました。

民主主義の根本に直球勝負。