李下に冠を正さず

※※※7月29日(土)※※※

先般、衆参両院で「安倍内閣の基本姿勢(国家戦略特区等)」をテーマに閉会中の集中審議が行われました。

要するに、安倍首相の学校法人「加計学園」に対する「依怙贔屓(えこひいき)」の問題です。

安倍首相は、自民党小野寺議員の質問に対して、「『李下に冠を正さず』という言葉がある。 私の友人が関わることだから疑念の目が向けられるのはもっともなことだ」と答えました。

李下に冠を正さずりかにかんむりをたださず)」とは、御承知の如く、「李(スモモの木)の下で、冠(被り物)を直せば、李を盗んでいると疑われることになるので、紛らわしき事はしない」との戒めです。

つまり、「腹心の友」、「無二の親友」である加計氏が経営する学園を、特別な制度の下で優遇したしたとの指摘を受けることは、「李下で冠を触っていた様な紛らわしい事だった」と反省の弁を語ったものです。

この件について、賄賂の授受はなかった様ですが、首相の強い意向が働いたり、首相の側近や官僚が忖度し過ぎたことが、徐々に明らかになってきています。 正に、「李下に冠を正していただけ」なのかどうかが問われている事件だといえます。

一方、「李下不正冠」の前には、「瓜田不納履」があります。 「瓜田に履を納れず(くぁでんにくつをいれず)」とは、「瓜(うり)がなっている畑の中で履物を履き直す様な行為は、瓜を盗んでいると疑われる」という戒めです。(古楽府・君子行より)

これは、ややこしい場所に出入りするようなことへの戒めとも言えます。 安倍首相が頻繁に加計氏とゴルフや宴席を共にしていることは、その行為自体を説明する責任があります。

この度の火計学園・森友学園問題、大臣の任命責任問題などなどは、全て首相の「身内贔屓」が起こした極めて程度の低い政治事件だと感じます。

高校野球では、2塁走者は離塁の際、両手で身体を触ることを制限されます。 これは、2塁上から捕手のサインを盗み見み、打者に知らせる行為を禁止するためです。

これが、高校野球の「瓜田不納履、李下不正冠」、「フェアプレーの精神」です。

直球勝負。