とば義明県政報告 第22号(春季号)を発行しました。
{とばの視点} 高浜原発3・4号機の再稼働について
関西電力高浜3、4号機の運転を差し止めた大津地裁の決定をめぐり、関電が大阪高裁に申し立てた抗告の審理は昨年末終結し、3月28日に「再稼働容認」の裁断が示されました。
しかし、大阪高裁でどのような判断がなされようとも自治体には住民の命と財産を守る責任があります。
私は以下の理由から、高浜原発3・4号機の再稼働について大きな懸念を持っています。
①関西電力は、原発の安全対策に対する大津地裁の指摘(運転差し止め仮処分)がされた後も、高浜3、4号機の安全性の証明を尽くしていません。
②高浜原発が立地する若狭湾一帯には、関電の11基を初め廃炉中の4基も集中しており、万が一の事故時、若狭湾一帯の原発が同時に緊急事態に陥りかねません。
しかも、高浜3・4号機は、新規制基準下では初めてMOX燃料を使う「プルサ一マル発電」を実施し、通常の核燃料に比べ核反応を調節する制御棒のききが悪くなるなど危険性は20倍と言われています。
③万が一の事故時に住民避難計画の策定が義務づけられた30キロ圏内の住民は、過酷事故が起きれば、1府2県の境を越えて広域避難しなければなりません。 しかし、現状では避難が計画どおりに進む現実性は低く、避難先の自治体の受け入れ準備も整ったとは言えない状況にあります。また、再稼働の同意手続きも30キロ圏自治体の意見を反映する仕組みも不十分なままです。
④高浜原発の「地元中の地元」音海地区自治会が、老朽高浜原発1、2号機の延長反対決議を上げたように、今や「脱原発」が原発立地自治体住民の民意となっており、原発事故は故郷を奪うこと、また、原発に頼らないまちづくりが地域経済の発展を生み出す力であることが証明されています。
国・原子力規制委員会福井県及び及び関西電力は、高浜原発30キロ圏自治体の実効性ある避難計画が確保されない状況下で、再稼働は絶対に行うべきではないと考えます。