自覚なき悪意②

※※※9月15日(土)※※※

人は誰でも、思想や価値観、生活スタイルなどに「自分基準」を持っており、自分にとっての正しさや常識があり、それに基づいて他者を判断しがちです。

例えば、成人すれば必ず結婚することは「常識」と考える親にとっては、結婚をしない子どもは許せず、何とか自分(世間)の基準に従わせたと思います。

私たちはそれぞれ違う自分基準を持ちながら他者と関わっていますが、インターネット上ではさらに多様な人の「自分基準」が集まります。

当然、意見の食い違いや価値観の相違が出てきますが、そんな時、「自分基準」が通じない相手に対して「自分基準」を教えたいという気持ちは強くなります。

意識調査の結果でも、悪意のある投稿をした理由の上位に「人の意見に反論したかった」とありますが、正に「自分の常識や正しさを教えたい」という気持ちの表れです。

しかし、相手には相手の自分基準がありますから、すんなり受け入れてくれるとは限りません。 今度は自分が反論されたり、全否定されるようなこともあります。

そこで、自分の基準に従わせたいのに旨くいかない怒りや、自分を否定してくる相手に対する憎しみといった感情が高じた結果、罵詈雑言や誹謗中傷といった、悪意のある投稿になってしまいます。

また、私達は他者とコミュニケーションを取る際、互いが顔を見合わせ、表情や仕草、声のトーンなどから相手の気持ちを察し、「言い過ぎた」と気づく場合がありますが、ネット上ではそういうことができません。

「相手を屈服させたい」という気持ちがある一方、ネット上で使える手段は言葉だけですから、結局、相手を罵倒したり、強要したりすることになります。

こうして、ネット上に「自覚なき悪意」が蔓延することになります。 正に、私自身にこそ言い聞かせなければならない様な状況です。 

自覚なき悪意に直球勝負。