生徒指導の肝

※※※5月7日(月)※※※

私の34年間に渡る高校教員生活の大半は、「生徒指導」担当でした。 

数人がシンナーを吸っている場所や暴走族が集結している場所に行くなど、相当危険な場面に遭遇したり、私や家族が脅されたり、嫌がらせにあったりと様々なことを経験しました。

しかし、最も難しかったのは、子ども達にとって最も嫌われる立場である「生徒指導担当の先生」として様々な指導をしなければならない点です。 

そこのところが中々難しくて、若かりし頃は度々子ども達と対立の毎日でした。 指導が上手く行かないと、いきおい声も大きく荒くなりますし、手も出ることになりました。

生徒指導のコツを修得したのは40歳の半ばを過ぎた頃で、この頃になると子ども達を自分の手の平に乗せられるようになりました。 

そのコツは、当たり前のことですが、子ども達「一人ひとりを大切に思い指導すること」です。 

どの子にもそれなりの理由・事情がありますので、その個別事情や個人の心情を丁寧に聞くことです。

今、目の前で起きたことに囚われず、子ども達の背景を見つめてやることです。 

子ども達も、一人ひとりが大切にされていると感じると指導に従ってくれる様になります。 

この様に子ども達と教員の間に信頼関係が形成できれば、後は簡単なことです。 それが生徒指導のコツといえます。 

そんな生徒指導に没頭していた時に聞いた話で、今も覚えている言葉を一つ紹介します。 明治~昭和初期に活躍した政治家、後藤新平の名言です。 

よく聞け。 金を残して死ぬ者は下(げ)だ。 仕事を残して死ぬ者は中(ちゅう)だ。 人を残して死ぬ者は上(じょう)だ。 よく覚えておけ」 教育は正に人つくりです

教育問題に直球勝負。