教育への政治介入②

※※※3月19日(月)※※※

文部科学省の前川喜平前事務次官が2月16日、総合学習の時間の講師として名古屋市立中学校に招かれ、生徒や保護者ら約500人を前に講演しました。

前川氏は加計学園問題や政治的な話題には一切触れず、自身の不登校体験や夜間中学のボランティア経験を語り、「学ぶ力や考える力を中学生や高校生の間に身につけてほしい」との講演をしたそうです。

これに対して、文科省が文教族議員の紹介を受けて、名古屋市教育委員会に慇懃無礼な「ご教授(問い合わせ)」のメールを送信しています。

その内容は、組織的天下り問題で引責辞任した前川氏に講演を依頼した経緯や狙い、謝礼金の有無、講演内容を質し、録音データを提供するよう求めていました。

この問題の重要な点は、国が個別の授業内容に介入したことですが、の「ご教授(問い合わせ)」のメールの文章表現にも問題があります。

前川氏について「天下り問題により辞職し、停職相当とされた」、「在任中、出会い系バーの店を利用していたことが公になっている」との表現です。

また、「道徳教育が行われる学校の場に、どのような判断で依頼されたのか」などと問い、講演録や録音データの提供を求めた。交通費や謝礼の有無や金額、動員があったかも尋ねています。(朝日新聞デジタルより引用)

文部科学省は前川氏が天下り問題において、違法行為があり、辞任した人物だったため、事実確認が必要であり、法令上適切だったと説明していますが、これは完全に個人的人権を害するものではないでしょうか。

日本教育学会会長の広田照幸日本大学教授は、「法令では国が一定の範囲内で、学校に対して指導や助言、調査をする権限が記されているが、個別に学校に問い合わせるには法令違反が認められたり、いじめなど子どもの教育に悪影響だったりする場合で、今回のケースは全く該当しない。個人や学校に対するあら探しや嫌がらせだと言われてもしかたない」と指摘しています。

教育は上からこうしろと言われるのではなくて、現場で創意工夫して行われるもので、それを尊重するのが国や教育委員会です。

監視や統制が横行するような社会は、現場の教育に対する可能性を封じ込めてしまうのではないでしょうか。 まさに戦前回帰です。

これも政権与党の驕り・高ぶり、官僚のごますり・忖度が露骨に出たもので、森友・加計問題と同類の政治腐敗事案と断言できる事態です。

直球勝負。