昨日の「家庭教育支援法」に関しての続きです。
道徳や倫理など人として守るべき精神や約束事は重要ですし、尊重されるべきものですが、これらを法で規定しようとするようなことについて、今日は野球の話を例に書きます。
野球には公認規則(ルールブック)に記載されていなくても守らなければならない暗黙の「不文律」=「アン・リトン・ルール」があります。
長い野球の歴史を経て、この不文律が形成された訳ですが、勝負に負けつつある相手を必要以上に辱めることなく、敬意を表する意味合いで現在でも守られている慣例的なルールです。
【攻撃側】 大差でリードしている(概ね5回で5点以上)攻撃側は、6回以降に、ボールカウント0-3から打ってはいけない。 バント攻撃をしてはならない。
四球の際、ホームベース上にバットを置いてはならないし、本塁打を放っても立ち止まって行方を追ったり、大げさなガッツポーズを取ったり、ゆっくりダイヤモンドを廻ってはいけない。
【守備側】 投手が三振を奪ったり、スリーアウトを取った直後に派手なガッツポーズをしてはいけないとか、ボールカウント3ボール0ストライクから変化球を投げてはならない
投手はそのイニングの途中で降板し、別の投手に交代した場合、そのイニングが終わる前にロッカールームへ引っ込んではならない。 投手は野手に文句を言ってはならない、等です。
これらは、日米プロ野球に共通なマナーですが、米国メジャーリーグでは、これら明文化されたていない暗黙のルールを「アンリトン・ルール」と呼び厳しく守っている文化があります。
もし、大リーグでこのルールを知らずに行った場合、当然、相手投手から故意死球をぶつけられる等の報復があります。 これは、監督・選手・審判・ファンからも承認されている行為です。
そこで、「家庭教育支援法」の中身ですが、国がわざわざを挟むことことの必要性がない家庭のことにことにまで言及していることに、得も言われぬ胡散臭さを感じます。
不文律のルールに直球勝負。