違うだろ~の本質①

※※※7月12日(水)※※※

昨日に引き続き、秘書への暴言暴行が話題となっている女性国会議員に関する考察です。

何故、こんなにも大きな話題となっているのか、それは、彼女のキレ方が尋常なものではなかったからです。

彼女の尋常ならざるキレ方や罵り方が揶揄や非難の対象になるのは当然で、昨日の「サイコパス」を彷彿させるものです。

この様な人物の背景を考える時、一般的にこうしたケースは「虐待家庭」、ないしはそれに近い「家庭環境」の存在が指摘されます。

今回のケースで指摘されているのは、「違うだろーーー」、「このハゲ!」と相手を罵ったり、暴力を振るったこと以上に、「私の心を傷つけるな」、「私が受けてる痛みがどれくらいあるか、お前に分かるか」、「お前はどれだけ私の心を叩いている」というセリフです。

これは、「ミスした相手を叱責する言葉にしては、あまりにも自分の心を吐露した内容になっていないだろうか」との指摘です。

しかも、こうしたセリフを発した後、彼女は一人語りのミュージカル調で呪詛(じゅそ=呪い)の言葉を垂れ流していますが、その言葉は相手に聞かれることすら期待していないとも分析されています。

この部分について、臨床教育学博士の故・岡本茂樹立命館大学教授の見解に従えば、これは本人の「本当の心の叫び」だった可能性があります。

岡本氏は、著書「凶悪犯罪者こそ更生します」の中で、無期懲役囚・美達大和のケースを取り上げ、次の様に分析しています。

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美達の父親は極端な人だった。「一番じゃなければすべてクズだ」、「男らしくあれ」、「俺の子供なら喧嘩が一番で当然だ」、「自分の信念に忠実に」、「嘘をつくな」などと、子供には到底守り切れない無理な規範を暴力とともに押し付けていた。

父親の忠実な僕だった美達は、この父親の期待によく応え、小学校時代は「神童」と呼ばれるほどだったが、小学生の最後になって「もう無理」と、自殺未遂を起こしてしまった。

しかし、辛うじて命をつないだ美達は、その後、父親の価値観を完全に内面化し、一時は金儲けで大成功するものの、最後は「自分の信念に忠実に従って」人を殺してしまうのである。

美達は獄中で著わした「人を殺すとはどういうことか」の中で「反省と贖罪」を表明しているものの、岡本氏は「父親によって刷り込まれた価値観から抜け出せていない美達は、本当の意味で反省していないし、世間に出たらまた犯罪を起こす可能性がある」と断言している。

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要するに、岡本氏は、戦時中がそうであったのと同様に、年少期の刷り込み、マインドコントロールの影響の大きさ、そして、怖さを科学的に説明されています。 明日に続く。

発言の背景に直球勝負。