学習指導要領改訂②

※※※6月25日(日)※※※

一昨日に引き続き、6月定例県議会のチームしが県議団の代表質問「新学習指導要領の導入に向けて」の2回目です。

~ ~ ~ 2点目として、小学校5・6年生への正式教科英語」の導入について伺います。

この度の改訂に際して、文科省は、「量を減らさず、質を改善する」と説明してきましたが、「質より量を優先した」結果、学校現場では極めて窮屈な教育課程の編成を余儀なくされるのではないかとの懸念が出ています。

授業時間数をどの様に確保するのかについて、その代表例として、小学校5・6年生への正式な教科「英語」の導入が挙げられます。

現行週1単位の「外国語活動」が週2単位の「英語」の授業になることに伴う増加分を、週5日で組まれた学校の教育課程にどの様組み込んでいくのか大変難しい面があります。

文科省の説明では、現在の「総合的な学習の時間」の活用や土・日や夏休み、始業前や放課後に授業を行う案、休憩時間や昼食時間を短縮して行う案などが出ていると仄聞していますが、果たして、子ども達の学習や学校生活に無理は生じないのでしょうか。

また、そもそも、「総合的な学習の時間」は、文科省の目指す「主体的な学び」を実践する中核的な授業であり、これを削減しても良いという方針は、矛盾しているように感じられます。

文科省は「カリキュラム・マネジメント」と称して教育課程の工夫を学校現場に求めていますが、教員数も時間数も限られた中で、果たしてどの様な工夫ができるのでしょうか。

そこで、来年度から先行実施される正式教科「英語」の授業を教育課程の中にどの様に組み入れ、実施しようとするのか、教育長に伺います。

3点目に、道徳の教科化」について伺います。

新学習指導要領では、小・中学校の現行「道徳の時間」が「特別の教科道徳」として位置付けられました。

文科省は、今回の改訂のねらいについて、「発達の段階に応じ、答えが一つではない課題を一人ひとりの児童生徒が道徳的な問題と捉え、『考える道徳』、『議論する道徳』へと変換を図るもの」とし、「道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うことを目的に、授業は原則として担任が行い、評価は数値ではなく記述式にする」としています。

しかし、教育現場からは、「道徳教育は心の教育とされているが、子どもたちの多様な価値観の育成に資するものか、一方的な価値観の押し付けにならないか、心の内面を適正に評価できるのか、子どもが本心を隠し、迎合した発言にならないか」など、様々な観点から心の教育に対する戸惑いの声が聞かれます。

そこで、現在行われている小学校の「道徳」の授業の現状と課題、そして、これらを踏まえて、来年度から「道徳科」をどのように進めようとしているのか、教育長の所見を伺います。

学習指導要領の改訂に直球勝負。