高齢者の定義変更

※※※4月24日(月)※※※

平成29年度野洲市老人クラブ連合会総代会にお招き頂き、挨拶をさせて頂きました。 

 ~  ~  ~  ~  ~

本日市内各所の老人クラブから、沢山の皆様がお集まり頂き、盛大に平成29年度「野洲市老人クラブ連合会」の総代会が開催されます事、心からお慶びとお祝いを申しあげます。

滋賀県老人クラブ連合会は、昭和37年に発足以来、半世紀に渡り、「生きがいのある生活を目指した健康づくりや、介護予防の取り組みを始め、世代間交流や地域見守り活動」等にも積極的に取り組まれ、老人クラブの存在意義と有用性を示されてこられました。

この間、多大なご尽力を頂いた先輩の皆様方に対して心から感謝を申し上げる次第です。

さて、本年1月、日本老年学会と日本老年医学会は、いわゆる「高齢者」の定義について、従来の「65歳以上」ではなく、「75歳以上」に引き上げることを政府に提言しました。

その科学的根拠として、日本老年学会は、65歳以上の方々の心身に関する各種データを分析した結果、65歳以上の健康状態や知的機能は20年前と比べると、10歳ほど若返っているとしています。

そこで、65 ~ 74歳については、高齢者の準備段階である「准・高齢者」と位置付け、75 ~ 89歳を「高齢者」、90歳以上を「超・高齢者」と定義しました。

その上で、65 ~ 74歳の「准・高齢者」については、今後も仕事や ボランティアなどに積極的に参加し、生き生きと活動する様にと呼びかけています。

一方、超・高齢化が 急速に進む中で、高齢者の定義の見直しをすることは、当然のことながら、「社会保障制度」を見直すことを意味します。

国民年金を始めとした社会保障制度の多くは現在、65歳が基準となっており、高齢者の定義見直しが年金の支給開始年齢の引き上げ等、「社会保障の切り捨てに繋がらないか」と危惧する声が上がっています。

また、一昨日には、衆議院の厚生・労働委員会で、「介護保険関連法の改正案」が十分な審議もなく、突然に採決されてしまいました。

これにより、現在、介護保険料自己負担割合2割が、来年8月より3割負担となる見込みです。

高齢化に伴う国の財政負担は年々、増加の一途をたどっており、既に国予算の一般歳出の半分以上を社会保障費が占める現状となり、高齢者には大変厳しい環境になってきています。

この様な状況から「これ以上 厳しくなったら、どう暮らせばいいのか」との悲痛な声も聞かれるなど、生活に困窮する高齢者の問題は、今後、益々社会問題化して行くのは必至です。

しかし、この様な厳しい現実の中でも、私達は心豊かに生きて行かなければなりません。

この度の「高齢者の定義見直し」や、「介護保険料の 負担増」が、社会保障改革とどう結びつくか、今まで以上に 注視して行きたいと思います。

さて、高齢者の健康問題が語られる時、「生き甲斐を持ち、飽きることの無い人は決して歳を取らない。 何事にも興味を持つ事が不老長寿の最高の妙薬である。」と言われます。

同時に、どの様に人と触れ合い、どの様に支え合うのかも大変重要だと言われます。

本日、お集まりになられている皆様は、自分だけの事だけではなく、人のため、地域のために、日々、老人クラブの活動を通して、「ふれあい作り」や「生き甲斐作り」、「健康作り」、「世代間交流」など様々な分野でご尽力を頂いております。

冒頭にお話しさせて頂いた様に大変厳しい社会環境下ですが、これからも、皆様方の人生経験と知識を活かして、心豊かな地域作りにご貢献下さいますことを心からご期待申し上げます。

結びにあたり、老人クラブ連合会の、今後益々のご発展と、皆様方お一人お一人の末永いご健勝とご多幸をお祈り申しあげ、本日のお祝いのご挨拶とさせて頂きます。 ~ ~ ~ ~ ~

老人クラブ活動に直球勝負。