国の家庭教育介入

※※※1月19日(木)※※※

保護者は、子に社会との関わりを自覚させ、人格形成の基礎を培い、国家と社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する。」

昨日の新聞報道で知りましたが、これは、今月20日に召集される通常国会で、自民党が議員立法で提出する予定の「家庭教育支援法案」の趣旨だそうです。

確かに大切なことが書かれており、一見、何の問題も無いように思いますが、重大な政治的意図が見え隠れしています。

同様の法案に、戦時中の1942年、「家生活は常に国家活動の源泉」として、子どもの「健全育成」を親に要求すると共に、国民を戦争に総動員するために発令された「戦時家庭教育指導要綱」があります。

この法により、「相互扶助」という名目で「隣組制度」がつくられ、地域住民は各家庭で国家が求める「教育」が徹底されているかを見張り合ったという代物です。

今回提出される法案でも、「地域住民は、国と地方公共団体が実施する家庭教育支援に関する施策に協力するよう努める」とあるそうで、それは「責務」となっているようです。

「家庭教育支援」と言うなら、奨学金や育児のインフラ整備など教育しやすい環境を整えるのが政府の仕事なのに、必要な支援はせず、親に委ねられるべき教育の中身に政府が介入し、国家にとって都合の良い人材育成を親に押し付けというのは如何なものでしょうか。

家庭教育支援法案」は、国家が家庭内教育をコントロールして、「国家に従順な子」を育てる一方で、「国家に都合が悪い人材」をできるだけ作り出さないためのものと言えます。

国家の家庭教育介入に直球勝負。