真珠湾慰霊の切り札

※※※12月7日(水)※※※

安倍首相は、今月の26日、27日にオバマ大統領と共に現職首相として初めてハワイの真珠湾を訪問し、日米開戦の地で共に戦争犠牲者を慰霊すると発表しました。

真珠湾訪問の目的を 「日米の和解の価値を発信する」とする安倍首相の言に異論を挟むつもりはありませんが、なんか釈然としません。

それは、先の米国大統領選の直後に、まだ、米国大統領がオバマ氏であるのに、トランプ氏の元へそそくさと歩み寄ったことが背景にあるのではないかと感じるからです。

現職よりも次期大統領を優先した無神経な振る舞いがオバマ氏の逆鱗に触れ、調整中だった日米首脳会談が流れたとの報道もありました。

その証拠に、この話は11月下旬にAPEC首脳会議のため訪れたペルーの首都リマで、オバマ氏と立ち話をした際に真珠湾訪問を打診し、合意したと報道(日刊ゲンダイ)されています。

また、オバマ氏は、安倍首相の対ロシア急接近に反感を感じているという背景も伝えられています。

「オバマ大統領と気まずいムードで終われば『史上最も冷え切った仲の日米首脳』とのレッテルを貼られかねません。 それが安倍首相には間違いなく不満でならない。」

そこで、歴代首相が「謝罪外交」の批判を気にして、ためらってきた「真珠湾慰霊の切り札」をあっさり出した理由は、恐らく自分のメンツを保つためだけ(元外交官の天木直人氏)と指摘されています。

「小さなことが気になる良い恰好しの政治パフォーマンス以外の何物でもない」との指摘に頷くだけです。

姑息な外交パフォーマンスに直球勝負。