甲子園誤審の背景①

※※※8月23日(火)※※※

第98回全国高校野球選手権大会は、栃木県代表の作新学園高校の56年振りの優勝で幕を閉じました。

この大会で、おおよそ教育の一環を標榜する高校野球らしからぬお粗末で後味の悪い印象を残したのは、3塁・本塁間の挟殺プレーでの審判の誤審でした。

この誤審は、大会7日目の8月13日、明徳義塾高校(高知)と境高校(鳥取)が対戦した試合の8回裏、明徳高校の攻撃の時に起きました。

明徳高校の攻撃は、1死2塁・3塁、打者がショートゴロを放つと同時に3塁走者が本塁突入を試みるも、遊撃手の本塁送球で3塁・本塁間で挟まれました。

その時、2塁走者は既に3塁に進塁しており、3塁ベース上に二人の走者が存在する形になりました。

そこで、捕手は3塁走者を3塁へ追い詰めた上で、ボールを3塁手に送球、3塁手は3塁ベース上の2塁走者にタッチをしました。

この場合、3塁走者に3塁ベースの専有権(優先権)がありますから、2塁走者はベース上にいてもアウト、3塁走者はセーフです。

しかし、タッチされた3塁走者は自分がアウトと勘違いして、3塁ベースを離れてベンチへ帰ろうとしていました。

その時、再度、3塁手は3塁ベースから離塁した3塁走者にタッチしました。 テレビの画面を見る限り、タッチしていました。 これで、ダブル・プレーが成立し、スリーアウトです。

ところが、3塁と本塁の中間辺りに達した3塁走者は、周りからの声を聞いたのか、突然本塁へ走り出し、本塁ベースを踏み得点が認められたことで、球場内は騒然となりました。

そこで、得点を認めた理由ついて、審判団が集まり協議した結果、「3塁手は3塁走者へタッチをしていない」との見解をアナウンスしました。

しかし、これはひどい判定です。 プレーしていた3塁手は、勿論、球場で観戦したり、テレビの画面を通して観ていた者にとっても、全く不可解です。

このプレーの何処がまずかったか、それを具体的に検証してみます。 明日に続く。

高校野球に直球勝負。