1月 23rd, 2018年

教員世界の実情

2018-01-23

※※※1月23日(火)※※※

小中学校の教員の勤務時間が大きな話題になっています。小中教諭の7割、週60時間超勤務ということです。 ではなぜ、忙しいのでしょうか。

これに関して、ある元小学校教員が「民間企業から教員に転職して驚いた教員の世界の常識~10選~」というおもしろい論考をしているとの紹介がありましたので、皆さんにも紹介します。

1.そもそも労務契約がない

公務員は労働者ではないので、雇用(労務)契約書もない。 辞令交付書という紙ペラ一枚を校長に読み上げられるだけで、冊子のようなふつうの契約書にサインをすることはない。

教育委員会としても、教員の本務や雇用条件とは何かと考えなくて済むので、現状維持のまま行くことになる。

2.勤務時間があってないようなもの

雇用(労務)契約がないので、勤務時間という概念もあまりなく、残業や休憩時間もずるずるなくなってしまう。 組合を潰してしまった自治体も多いので、調整役がいなくなってしまった。

組合は契約に守られていない教員の唯一といっていい交渉チャネルだったが、専従職員が管理職に横滑りする慣習があったので、組合は完全に教委に取り込まれてしまった。

3.会議が異常に多い

会議がとにかく多く、会議のためには授業時数が足りないのに子どもたちを早く帰したりする。学校の会議といえば職員会議を想像するが、校務分掌会議、教科会議、体育会議、特別活動会議、行事会議、研修会議などの会議があり、放課後は研修か会議ばかりやっている。

しかも、一度できた会議が減ることはない。 下手をすれば、「どうしたら会議を減らせるか」という会議がある場合も多い。

4.研修が多い

公務員には、研修でパワーアップできるという考えが多く、研修のために午前中で授業が終わったりする。 研究授業もあるが、座学もある。

研究授業は、文科省の建前的な授業をしなくてはならないので実力はまったく付かないが、A4で10枚くらいの指導案という台本を書かなくてはいけないのと、その検討が何回もある。

指導案はその見せる授業の部分だけでなく、今までなにをやってきたかやこの授業にどんな意義があるのかとか書かなくてはならないので、作成にかなり時間がかかる。

座学は、民間企業なら呼んだ人事部が怒られるのではないかというレベルの講師が来る。 大体が教育学部の先生だ。

5.行事が多い

入学式や運動会、卒業式はいいとして、創立〇周年記念、宿泊学習、二分の一成人式、マラソン大会、学芸会、展覧会、音楽会と際限なく増えてゆく。

一度できた行事は、やめたら先輩の顔に泥をぬるという理屈でけっして減ることはない。行事自体は1~2時間で終わるが、その準備には貴重な授業時間が何十時間もとられる。

これを教員は時間外に準備をするので、大変な負担となる。

6.現場に意思決定者がいない

校長はじめ管理職は意思決定できない。 彼らは、教育委員会の決定事項を現場に粛々と遂行させる推進役で、教育委員会からおりてきた仕事は、スケジュール的にどんな無理な内容でも「よろしく」で済ませる。

勤怠管理(年次休暇の管理の厳密さは民間企業の非ではない)は熱心だが、残業時間にふれることはない。 管理しない管理職なんて、伝書鳩になりたくて管理職になった様なものだ。

7.仕事の優先順位が・・・

教育委員会からおりてきた仕事(調査・アンケートの集計とか)が最優先され、次に校務(会議・研修とか)、最後に学級の仕事となる。

学級も行事の仕事が優先されるので、休日に授業を準備しようにも間に合わない。

8.年配の女性教諭の発言力がひじょうに強い

これは民間企業でも同じかもしれないが、年配の女性教諭の発言力が非常に強い。 その破壊力ゆえに、会議が延々と続いたり、思わぬこだわりから思わぬ仕事が湧いてくることがある。

本人は素晴らしい提案をしたと得意げで、時には校長の意思決定すら覆すこともある。

9.勤務時間外に労働するのがえらい

教員の時間外労働がここまでひどくなったのは、最近のことで、遅くまで学校にのこっている先生が偉いとされる。

7時にきて(始業時刻は8時15分)お茶を入れる先生が尊敬される。最近はICT化というのもあるが、納入される機材は古く、タブレットや周辺機器のメンテナンスを教員がやるので、逆によけいに時間外労働が増す。中高校はこれに生徒指導、進路指導、部活動が加わるので、さらに拘束時間が延長される。

10.出欠をとる飲み会が多い

研究授業や研修会ごとに学校あげての飲み会があり、断る理由を考えるのも大変。

この様に、先生たちはたいへん苦しい状況にあるが、それが全く子どものためになっていないのが切ない。 そして、書いていて気がついたけど、教育の仕事がなかった。

教育現場の実情に直球勝負。

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